\「マイホーム神話」に騙されるな/取材対象者:田中陽一さん(仮名)/38歳・会社員・妻と子ども2人の4人家族
■ マイホーム購入のきっかけは「勢い」だった
── 今日はお時間ありがとうございます。田中さん、住宅ローンを組まれたのはいつ頃ですか?
田中さん:
今から8年前ですね。子どもがまだ2歳と0歳のときです。ちょうど「そろそろ家を…」と考えていたときに、知人の紹介で建売住宅のモデルルームを見に行ったのがきっかけでした。
── なるほど、それで即決だったんですか?
田中さん:
そうですね。営業トークにやられました。「金利も安いですし、家賃払うくらいなら持ち家の方がいいですよ!」って言われて…。今思えば浅はかでした。
■ 年収500万円で5000万円の住宅ローン
── 実際にいくらくらいの物件を購入されたんですか?
田中さん:
土地込みで約5000万円です。頭金はゼロ。フルローンで35年。ボーナス払いもつけて月々12万円、ボーナス月は25万円ほど。
── 年収500万円で、それはかなり厳しいですよね。
田中さん:
ええ。当時は「なんとかなる」と思ってました。でも子どもが成長していくにつれ、教育費や食費がどんどん増えて…カツカツです。
■ 生活費を切り詰めても追いつかない現実
── ローン以外の支出で苦しかった点は?
田中さん:
保険、通信費、車のローン…。妻の車も必要で軽自動車を買いましたが、それすらもローン。通信費も3台分。気づけば支出の嵐でした。
── 家族関係には影響ありましたか?
田中さん:
妻との喧嘩が増えましたね。特にボーナス月。返済で消えるのに、妻は「旅行くらい行きたい」と言い出して…何度も揉めました。
■ 最終的に家を売却。残ったのは多額の残債と疲弊感
── そして…手放す決断を?
田中さん:
はい。5年目で売却しました。ですが、ローン残高より売却額が下回り、400万円近くの残債が残ってしまって…。
── まさに「マイホームが負債」になったわけですね。
田中さん:
家は資産じゃない。本当にそう思います。
■ 【まとめ】「住宅ローンは人生を左右する」ことを忘れずに
取材後記: 田中さん一家は今、賃貸のアパートで生活を立て直し中。家は「夢」ではなく「現実の数字」で見ないと人生を狂わせる――そんな教訓を残してくれました。
✅ これからマイホームを考える人へ
もしあなたが、住宅ローンを検討中なら、「支払い計画の見直し」や「保険・通信費の削減」も同時に考えるべき。
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